難しいことは抜きにして、ダメ人間でなにがいけない?人間は愚かなことを繰り返して、ようやくダメ人間でも生きていける社会を手に入れたのに、なんでそんなに聖人君主の真似事をしたい?さっぱりわからない。成長なんかくそくらえ。ダメ人間が不幸だって誰が決めた?
でも、まったく不安にならないわけではない。世間はどうでもいいし、親だってまあ、悲しませたくはないけど、仕方がない。ダメ人間である子供を受け入れてってことで、あまり気にしなければいい話。
そんなことよりも、夜、雑多な部屋に一人いるとき、ヒヤッとした冷たい空気を首元で感じた時のいいようのない不安の正体は、いったい何なのか?自分がダメ人間だから?自分が世間の正しい枠組みに入っていないから?ダメ人間じゃない”普通の人”も言いようのない同じ不安を感じているのだろうか?
さて、月明かりがうっすらと部屋を照らしているから、本を読もうか。