とかく不確実な時代だ。懲りずに戦争を始めるし、天災は忘れていないにも関わらずやってくる。SNSの中のキラキラした世界と半径2mとの違いに多くの人たちがイライラし、どこかに自分を不遇に押し込んだ犯人がいるはずだと、疑心暗鬼に目を凝らす。世の中に、白黒がはっきりと決められることなどありはしないのに、自分は常に正義の側に立っていると信じていたい。
まずもって、不健康だ。
一方、最近よく聞く「推し」は、なぜか幸福な響きをまとっている気がする。誰に何を言われようとも、自分の「スキ」が第一、幸せな私を放っておいて、と言わんばかり。「推し活」とは無縁ながら、興味が湧いてきたので、面白そうな本を集めてみた。世間はどんな視線で、「推し」を見ているのか。ぜひ、一冊でも手に取るか、あなたの積読リストに追加してみてほしい。