私たちに出来ることは、祈ることだけなのだろうか?
ただ空を見上げて、願うだけなのだろうか?
私たちの祖国は、約80年前に多くの尊い命を失い、生活の地は焦土と化した。絶望の中から現代のこの社会を築いた先人たちの英知と努力へ尊敬の念は尽きないが、日常の中の平和は至極当然のこととなり、いつの間にか、目を閉じてしまっている。この一瞬の時にでも、世界の至る所で流れる血は多く、燃え尽き、崩れ落ちる家々の多いこと。思いを馳せれば苦しくなる。しかし、私たちはきっと知らなければならないのだ、戦地、もしくは血が流れた土地で、悲しみに暮れる人々の肩を抱くことができなくとも。多くの現実を知り、そして語ることは、地続きの傷ついた人を微かでも癒し、私たちの平和への決意を強くすると信じたい。祈ること、願うこと以外でも、できるはずなのだ。