私的でも形式的でもない、人びとの思い思いの居方を許容する「まちの居場所」という拠点概念。その発生・発見から継続されてきた研究の集大成。
1990年代後半、さまざまな「まちの居場所」が生まれた。福祉施設やフリースクール、コミュニティカフェといったかたちをとって出現したそれらは、まちにおける生活の質の向上・改善を目指す「あるじ」によって生み出され、人びとに見慣れたまちの再考・見直しを促した。本書では長期にわたって継続されてきた研究の成果に立脚し、「まちの居場所」発生以後の動きや最新の事例を加えながら、「まちの居場所」をいかに支援・保全・育成・継承していくかに焦点を当てている。
はじめに
Part 1 「まちの居場所」をめぐる最新の動き
Chapter 1 「まちの居場所」の広がり
Chapter 2 「まちの居場所」の背景と意味
Chapter 3 当事者による場づくりの時代
Part 2 研究・調査・実践事例を通した「まちの居場所」をめぐる論考
Chapter 4 マギーズセンターーー生きる希望を失わせない環境
Chapter 5 パブリックシェルターとしての「まちの居場所」
Chapter 6 フリースクールはなぜ居やすいかーー教育制度の境界におかれる「子どもの学びの場」の育て方
Chapter 7 戸外の居場所ーー居場所としてのまち
Chapter 8 「福祉」の視点で見た「まちの居場所」
Chapter 9 人びとをつなぐプラットフォームとプレイスメイキング
Chapter 10 誰もが役割をもてる施設ではない場所ーー居場所ハウス
Chapter 11 「まちの居場所」としての公共図書館
Chapter 12 私有を共有する居場所ーーインドネシアのバレバレ
Chapter 13 使いこなしによって自ら獲得する「まちの居場所」
Part 3 「まちの居場所」の事例と文献の紹介
Chapter 14 「まちの居場所」のアイデアガイド
Chapter 15 「まちの居場所」のブックガイド
おわりに