「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」。各界から絶賛の声続々、いまだかつてない青春小説! 中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。コロナ禍、閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。さらにはM-1に挑み、実験のため坊主頭にし、二百歳まで生きると堂々宣言。今日も全力で我が道を突き進む成瀬から、誰もが目を離せない! 話題沸騰、圧巻のデビュー作。
「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」 開幕早々、大谷翔平の超剛速球ストライクをかまされたような衝撃をこのフレーズから感じた。とにもかくにも一体なんなんだこの女の子は? 主人公の成瀬あかりという存在からは、ジャンプヒーローのような佇まいを感じるではないか。仮に、モンキー・D・ルフィや孫悟空たちと横並びになっても、その溢れ出る強者感はちょっとやそっとじゃ霞んだりしないことだろう。それぐらい、成瀬あかりには人をひきつける何かがある。「いや、本当に成瀬、君、最高やん…」って気づいた時にはもう、彼女のファンになってしまっているのだから不思議だ(笑) とりあえず、2作目の「成瀬は信じた道を行く」と併せてぜひ読んでもらいたい。きっとあなたも、気付いた時には成瀬あかりの虜になっていることだろう。